脂肪吸引後に着る「着圧タイツ」と「ガードル」の大きな違い
脂肪吸引の中でもダウンタイムが強い部位と言えば、太ももをイメージされる方が多いと思います。そんな太ももの脂肪吸引後は、ダウンタイムを緩和するために「ガードル」と呼ばれる圧迫着を着用します。
圧迫着と聞くと、着圧タイツ・ストッキングをイメージされる方も多いはず。しかし、ガードルと着圧タイツは全くの別物です。どちらも太もも脂肪吸引後のダウンタイム中に着用するものですが、得られる効果や着用時期に大きな違いがあります。
この記事では、着圧タイツとガードルの違いを詳しく解説した上で、着圧タイツを着ける際の注意点をお伝えしていきます。
太ももの脂肪吸引をお考えの方、現在ダウンタイム中の方は参考にしてみてください。
<この記事でわかること>
1. 脂肪吸引後に着ける着圧タイツとは?
2. 脂肪吸引後に着けるガードルとは?
3. 着圧タイツとガードルの違い
4. 経過に合わせて使い分けるのがおすすめ
5. 脂肪吸引後に着圧タイツを着用する時の注意点
6. まとめ
脂肪吸引後に着ける着圧タイツとは?
一般的なタイツと比べると見た目は大きく変わりませんが、圧力が高く、生地も厚いタイプが多いです。
ドラックストアや通販など、あらゆる場所で購入できますが、脂肪吸引後に適したものとそうでないものがあるので注意しましょう。
脂肪吸引後の場合は、医療用の着圧商品を選ぶのがおすすめです。「弾圧ストッキング」「弾性タイツ」と調べると出てきます。
脂肪吸引後に着けるガードルとは?
レギンスのような見た目をした圧迫着で、脂肪吸引後の必需アイテムです。
足の指先までカバーする着圧タイツに対して、着丈が短く、足首丈・ひざ上丈・ひざ下丈の3種類から選べるのが、ガードルの特徴です。生地の厚みがあり、患部をしっかり圧迫固定することができます。
また、ダウンタイム中でも着脱がしやすいよう、太ももやお腹部分にホックやファスナーがついたものも販売されています。
着圧タイツとガードルの違い
ここでは、着圧タイツとガードルの違いについて詳しくご紹介します。
着用で得られる効果
◯着圧タイツ・ストッキング
脂肪吸引後の「むくみ」を緩和する効果が期待できます。
◯ガードル
脂肪吸引後に生じるダウンタイム症状「むくみ」「痛み」「腫れ」「内出血」を緩和し、術後の身体の回復を早める効果が期待できます。
着用時期
◯着圧タイツ・ストッキング
着用開始時期の目安は、術後1ヶ月以降です。内出血や痛み、腫れが落ち着き、むくみだけが気になってくる時期とお考えください。
◯ガードル
脂肪吸引のダウンタイム緩和に高い効果が期待できるので、手術直後から着用します。
外す時期は吸引箇所やクリニックの方針によって異なりますが、術後2週間〜1ヶ月頃までとしているところが多いです。
圧迫力
◯着圧タイツ・ストッキング
生地の伸縮性が高く、着用時も動きやすいのが魅力である一方、圧迫力の強さはガードルほどではありません。
着圧ですので、圧力がかなり弱いというわけではないのですが、ガードルと比較すると劣ってしまうのが正直なところです。
◯ガードル
着圧タイツよりも厚くてしっかりした生地が使われている分、圧迫力も強くなります。
また、ホックやファスナーがついているため、圧迫加減を調整したり、患部を固定したりできる点も優れていると言えるでしょう。
価格
ガードルは脂肪吸引のために作られたものも多く、性能が高い分、商品価格も比例して高くなります。
◯着圧タイツ・ストッキング
¥6,000〜¥10,000程度
※医療用の商品は高機能な分、価格も高くなる。
◯ガードル
¥10,000〜¥25,000程度
※丈の長さ、ホック、ファスナーの有無などによって価格が変動する。
ガードルの種類については【太もも脂肪吸引後のガードルはいつまでつける?〜種類・形も併せてご紹介〜】の記事にて詳しくご紹介しています。
経過に合わせて使い分けるのがおすすめ
基本的には、ガードルは一定期間の着用が必須で、着圧タイツは着用してもしなくても良いものです。
しかしながら、ガードルは生地が厚く、長期にわたって着用を継続することは容易ではありません。そんなデメリットを払拭してくれるのが、着圧タイツです。
経過や生活スタイルに合わせて、ガードルと着圧タイツを併用してみてはいかがでしょう。
ここでは、着圧タイツとガードルの具体的な使い分け方法をご紹介します。
※圧迫期間の考え方や指示は、クリニックや医師によって違いがあります。脂肪吸引をする際は、必ず担当医の指示に従って圧迫固定を行いましょう。
術後〜最低1週間→ガードル
脂肪吸引の手術後〜1週間は、ダウンタイム症状が最も強く出る時期です。
痛みは術後3日頃がピークで、腫れは術後1週間頃まで現れます。むくみや内出血は、術後1〜2週間でピークを迎える場合が多いです。
辛いダウンタイムを緩和するためにも、この期間は患部をしっかり圧迫固定できるガードルを着用しましょう。
ダウンタイムが強い時期→ガードル
術後のダウンタイムは、脂肪の吸引量やクリニックによって差がありますが、1週間でダウンタイムが完全消失するわけではありません。
例えば、内出血は術後2週間頃、むくみは術後2週間〜1ヶ月頃を目安に落ち着きますから、術後1週間以降もガードルの着用を続けるのもひとつです。むくみや痛み、腫れ、内出血などが緩和されると、心身ともに楽になります。
むくみだけが気になる時期→着圧タイツ
ある程度ダウンタイムが落ち着いた時期に入ったら、着圧タイツを着用するのがおすすめです。
下半身の脂肪吸引後は重力の影響でむくみを感じやすいため、むくみが気になる場合のケアとして着圧タイツの着用は効果的でしょう。ガードルに比べて生地が薄く、伸縮性も高いので、動きやすさにも優れています。服装に影響しないのも嬉しいポイントですよね。
患部を隠すことが難しい時→着圧タイツ
着圧タイツは、普通のタイツとほとんど変わらない見た目をしているので、仕事や外出時の着用に適しています。例えば、仕事の制服でスカートを履く時は、着圧タイツを着けることで、自然に圧迫を続けることができます。
ダウンタイムが落ち着く1ヶ月頃以降に関しては、日中は着圧タイツを使い、在宅時や就寝時はガードルを使うなど、ご自身の生活に合わせて併用してみてはいかがでしょう。
脂肪吸引後に着圧タイツを着用する時の注意点
着圧タイツを着用する場合は、以下の2点に注意して圧迫を行いましょう。
着用開始はダウンタイムが落ち着いてから
着圧タイツは術後1ヶ月以降を目安に、ダウンタイムが落ち着いてから着用を始めましょう。
先ほどもお伝えした通り、脂肪吸引後のダウンタイム緩和には、ガードルを使った圧迫固定が効果的です。症状を長引かせないためにも、ダウンタイム中はガードルを着用することをおすすめします。
長時間の着用や圧が強過ぎるものは、症状悪化の原因に
「むくみを緩和するには圧迫が強ければ強いほど良い?」 と思われるかもしれませんが、着圧タイツの圧迫が強過ぎると、血行不良を起こすことがあり、逆効果になってしまいます。
また、長時間の着用は、かゆみや湿疹といった肌トラブルを引き起こすことも……。
肌に負担がかかり過ぎないよう、無理のない範囲で圧迫を続けましょう。
まとめ
着圧タイツとガードルの違いについてはご理解いただけましたでしょうか。
ガードルは「ダウンタイム緩和」を目的とした圧迫着で、生地が厚く圧迫機能に優れています。一方の着圧タイツ・ストッキングは「むくみ緩和」のケア方法として、日常生活に取り入れやすいのが特徴です。
着用時期に関しては、脂肪吸引後〜1ヶ月まではガードル、ダウンタイムが落ち着く1ヶ月以降は着圧タイツといった形で併用するのがおすすめです。
お仕事や外出のタイミングのみ着圧タイツにするなど、ご自身の生活スタイルに合わせて使い分けると良いでしょう。
脂肪吸引後におすすめの圧迫着
このコラムに関する監修医師
経歴
- 1982年岩手県生まれ
- 2006年東京慈恵会医科大学医学部 卒業
亀田総合病院 入職 - 2008年東京慈恵会医科大学 入職
- 2012年THE CLINIC 入職
- 2013年THE CLINIC 福岡院 院長 就任
- 2015年THE CLINIC 東京院 院長 就任
- 2016年モッズクリニック 開院
所属学会・資格
- 日本美容外科学会会員
- コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
- VASER Lipo認定医
- VASER 4D Sculpt(ベイザー4D彫刻)認定医